バーチャルチョコ・おかしをおくろう!
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阿良々木火憐「チョコだ!」
阿良々木月火「チョコだよ!」
阿良々木暦「ありがとうございます!」
戦場ヶ原ひたぎ「別に嬉しくなんてないんだからね、でも感謝してあげるわ」
羽川翼「ありがとう、貰えるなんて思わなかったから嬉しいな」
神原駿河「チョコプレイが出来るな!?」
八九寺真宵「もっとくださってもいいんですよ〜?」
千石撫子「あ、ありがとうなんだよ……」
忍野忍「儂はドーナツが良いがの」
斧乃木余接「僕はアイスが良いな」
老倉育「え、なんでチョコ……既製品なら、まあ、頂くけれど」
忍野扇「おやおや、ありがたーいなー」
忍野扇「感謝感謝ですねー」
沼地蠟花「うん?相手が違うんじゃないのかな?」
貝木泥舟「チョコはいらんな。金なら歓迎しよう」
忍野メメ「はっはー、ありがたく僕の食料にさせてもらうぜ」
影縫余弦「ふうん?おどれの気持ちは受け取れへんけど、ありがとうさん」
臥煙伊豆湖「うん、ありがとう。これからもよろしく頼むよん」
手折正弦「そうかい。余接にあげておくれ」
臥煙雨露湖「果たしてお望みの相手に渡せたかは定かじゃないけれど、きみやあなたの幸福を祈るよ。チョコッとね」
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(オカ研メンバー)
『LOVE』と描かれたカップケーキがある。
「モテる男は違うな、とでも言われたいのか忍野。お前のそういう心の狭さが滲み出ている」
「はっはー、今日も元気がいいねえ貝木くん。それに残念だが、僕の貰ったカップケーキじゃないよ。僕が貰ったものなら、真っ先に胃袋行きだからね」
「毒物異物も飲み込みそうだな」
「大体はイケるぜ」
全く羨ましくない。
しかし、忍野のものでないのだとするならば、そうか影縫のものか。確かに、この奇妙奇天烈なサークルにおいて最も人気があるのは、影縫余弦である。あの女の見た目の良さが群を抜いているのは、他サークルや他学科の人間からも噂を聞いていた。忍野はその点、良くも悪くも難アリな女子大生を侍らせているのだ。いつか刺されるといい。
「はん?うちのやないで。ちゅーか、うちは手作りのお菓子は受け取らへんよ。その子には悪いけど、これでも陰陽の家の人間やからね」
「あれ、そうだったんだ」
「万が一うちのやったら、こない無防備に放置せんよ。おどれらに何されるかわかったもんやないやん」
「酷い言い草だな」
しかしまあ、その意見も頷けるものだ。
「なんだかんだ貝木くん、きみのじゃないの?恥ずかしくても自慢したいお年頃かい?」
「シンプルに気色悪いぞお前」
「無いわー、忍野くん。それはない」
俺でもなく、忍野でもなく、影縫でもない。
だとするならば。
「おやおやお前たち、まだ食べていなかったのかい?なーに、毒なんて入っちゃいないよ。何しろ私が、この私が手作りしたカップケーキなのだから。いつも頑張っているお前たちを労う糖分には、ちょうど良いだろう?」
「はっはー、臥煙先輩でしたか」
「先輩が菓子作りしたんけ」
「それはそれは……」
労いという名の嫌がらせなのは、やはり前回の仕事で破壊した建物の修繕費があるからだろうか。
にこやかで、有無を言わせない臥煙先輩に見つめられて、そのカップケーキを食べない道はなかった。
「シャディク」
「ん、む?」
「甘さはどう?」
「いきなり口に突っ込まれた驚きはあるけど、ちょうど良いと思うよ」
「そう。ならコレで完成ね」
「ああ、水星ちゃんへのチョコレートかな」
「…………はあー」
「ん?」
「なんでアンタに味見させてるのに、スレッタに渡すのよ。というか、スレッタはスレッタで色ボケ全開で手作りチョコを作ってるわよ」
「色ボケ……まあそれも仲睦まじいなら構わないんじゃないか、君好みに作って貰えたら」
「アンタ分かってて言ってるでしょ」
「さて、俺は分からないな。教えてくれるかい?」
「フン、生チョコだらけになったら教えてあげないこともないわ。くれぐれも、私以外のチョコレートを受け取らないでよ」
「ハハ、その言葉だけで俺はもう満たされてしまったが、もちろん約束するよ。俺が欲しいものは、君しかないんだから」
「は?私の作るチョコレートでしょ」
「それも含めた、全てさ」